【浮かし張り切り絵作家】
神田 真由
 Mayu Kanda

コンセプト

誰かにお花を贈るとき、そこには必ず相手を想う心が添えられている。
同様に、作品を通して和やかで前向きな気持ちをお届けすることができたなら…
そんな想いを込めて植物などをモチーフに和モダン作品を制作しています。

私の作品の中にはお花を纏った金魚がよく登場するのですが、これは「金魚」としての認識ではなく、感情を代弁する“精霊”のような意味合いで用いています。

尾ひれを揺らめかせ泳ぐ姿は、繊細な人の心の動きを表しているように感じられたり…
はたまたドレスで着飾り輝かしく舞い踊るようにも見えたり…
儚くも華やかに煌く“精霊たち”は、世界観を表現する上でとても重要な存在です。

また、生み出した作品にはそれぞれに小さな物語が添えてあります。
ぜひ作品だけでなくコンセプトについてもごゆっくりご覧いただけましたら幸いです。

どうか作品を通して、見てくださる皆さまの心に小さな灯りがともせますように…
そんな願いを込めながら、作品と共に私自身も成長し続けていきたいと思います。

魅せ方

紙が持つ張りと立体額を組み合わせることで、切り絵のパーツを浮かせて抑揚や影を魅せる独自の表現方法、
【浮かし張り切り絵】で切り絵ならではの魅力を探求しています。

私が感じる切り絵の一番の魅力は「影」です。
絵画と大きく異なるポイントでもある、“切り抜くことで生まれた空間”によって影が添えられて
壁掛け作品でありながらも奥行きや躍動感が感じられるようになります。

基本的にはある程度のレイアウトやバランスを頭の中で計算した上で切り始めますが、
大きな作品は特に、切り終わって現物を見ると違う発想が生まれることもあります。
私自身も完成形がどうなるのかワクワクしながら日々制作を続けています。

また、個展会場では吊るし型のインスタレーション作品や異素材と組み合わせた作品などを展開する場合もあります。
なかなか写真では作品の全てをお伝えしきれないのが残念ではありますが、
生で見ていただける際にはぜひ、影の生まれ方や表情の変化も楽しんでいただけましたら嬉しく思います。

いつの日か、会場にて皆さまとお会いできるのを作品共々心待ちにしております。